幼い子供は病気や怪我の痛みに対する抵抗もまだ弱く、病院通いともなると感じる苦痛や恐怖は大人の比ではありません。母親でさえそれをなだめ、時として叱りつけてようやく病院へ連れて行くことができる程度のため、そこで働き常にそういった子供や親と接しなければならない看護師に掛かる負担というのは想像以上のものでしょう。ただこれだけの苦労を経て、笑顔で小児科を後にする親子の姿を同じ数だけ見送ることができるというのも、働く上での大きなやりがいとなってくるものです。
時として大きな苦痛を伴う治療にも我慢して耐える子供に付き添い、共にそれを乗り越え、ほとんどのケースにおいて病気の回復という形で報われるわけですから当然といえます。もちろん次第に仕事に慣れ、医師や他のスタッフとの連携が上手く回り始めることも仕事そのものへの充実感ややりがいの1つでしょうが、それ以上にこの小児科では病気から回復した子供の笑顔を見るのが大きな達成感でありやりがいなのです。
精神的に安定し、社交性や分別を身につけた大人を相手にしていると自分が接する上で学べるものは意外と少ないものなのですが、感情をストレートに表現し、好き嫌いをはっきりさせる子供を相手にすると接するこちら側の弱点を強烈に炙り出してくれます。それこそが今後看護師として自分を成長させてくれる大きな糧となり、医療の現場で働く上で大変貴重なキャリアとなってくれる可能性もあるでしょう。